ミニチュアダックスフンドの白内障 | 獣医師による解説

1.ミニチュアダックスフンド総論

ミニチュアダックスフンドに起こりやすい病気として白内障があります。ミニチュアダックスフンドは毛質の違いにより、スムースヘアード(硬く、短い被毛)、ロングヘアード(柔らかく、長い被毛)、ワイヤーへアード(大部分が荒くて短い被毛、長い眉毛やあごひげを持つ)と分けられますが、 特にスムース種やワイヤー種のミニチュアダックスフンドでは、白内障が若齢で起こりやすいことが知られています。この病気を発症すると、レンズの役割を果たす水晶体が混濁することで、黒目の部分が白く見えるようになります。視力の低下が見られ、最終的には失明に至ります。同じように水晶体の中心部が老化とともに白くなっていく核硬化症という病気がありますが、核硬化症で失明することはありません。

2.ミニチュアダックスフンドの白内障の原因

原因としては、水晶体 に含まれるたんぱく質である「αクリスタリン」が変性し、不溶性たんぱく質が増加することで、水晶体が白濁してしまうことがあげられます。このようなたんぱく質変性は、多くは老化に伴って引き起こされますが、その他に、糖尿病などの他疾患によって誘発されるもの、目の重度の外傷によって引き起こされるもの、そして遺伝的に生じてしまうものがあります。遺伝性のものの場合、6歳未満の若い時期でも白内障になってしまうことがあります。このように遺伝的に若い時期に白内障になりやすい犬種はいくつか知られており、そのような犬種の一つがミニチュアダックスフンドなのです。

3.ミニチュアダックスフンドの白内障の症状

症状としては、黒目が白濁し、さらに白内障によって光を感知しにくくなるために、目に入ってくる光を調節する瞳孔が 常に開いている状態になってしまいます。また行動面では、視力の低下から物にぶつかったり、つまずいたりする頻度が高くなり、壁伝いに歩く姿が見られるようになります。また目が見えないことへの不安から攻撃性が高くなったり、夜鳴きをするようになったりします。

4.ミニチュアダックスフンドの白内障の診察

白内障の診察では、視診によってまず、白眼や眼の中に異常がないかを観察します。そして、正面や斜めからスリット光と呼ばれる細い光を当てて水晶体の混濁の具合を確認します。また、 目がどれくらい見えているかを明るいところと暗いところの両方で調べます。実際には、明るい部屋、暗い部屋の両方で犬の目の前でコットンを落として目で追うか、障害物の置いてあるところをその障害物にぶつからずにしっかり歩けるかといったことを観察します。

5.ミニチュアダックスフンドの白内障の治療方法

治療方法としては薬物療法と手術療法の2つがあります。視覚が保たれている時は、薬物療法を選択し、点眼薬を投与します。ただ、これは白内障の進行を遅らせる可能性があるだけで根本的な解決は困難です。視覚障害がみられる時には手術を検討します。手術では 水晶体の内容物を取り除き、人工の眼内レンズを代わりに入れます。手術を行えば視力を回復することが期待できますが、 経済的な負担や、合併症のリスク、術後ケアの徹底など気をつけなくてはならない点も多々あります。

白内障を予防する方法というのはありません。しかし、白内障は発症してから長く経過していると水晶体以外の部分にまで問題が生じ、手術をしても視力が戻らなくなってしまうなど、手術が不可能な状態になってしまいます。
はじめにも書きましたが、ミニチュアダックスフンドでは、若い時期でも白内障を発症することが知られています。症状の進行を少しでも送らせる為に、なるべく早い段階で発見し、治療を開始したいものです。飼い犬の行動を普段からよく観察することを心掛けましょう。また、若いうちから年に1回は健康診断を受けさせることも重要です。

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