チワワの低血糖 | 獣医師による解説

1.チワワの低血糖の病態

チワワの子犬が起こしやすい病気のひとつに、低血糖症があります。チワワの子犬の低血糖症は、ブリーダーさんやペットショップから子犬を迎えて間も無い時期に遭遇することも多く、発症した場合には速やかな対応が必要ですので、是非知っておいてください。

低血糖症とは、何らかの原因で血糖値が極端に低くなり、それに伴い脳神経症状を起こしてしまった状態をいいます。成犬でもいくつかの病気によって低血糖症を起こすことがありますが、子犬、特に生後3ヶ月齢までの子犬では、成犬で問題になるような基礎疾患が無くても低血糖症を発症してしまうことがあります。これは、生後間もないチワワの子犬では、グリコーゲンといわれる肝臓内に蓄えられている予備の栄養分が十分でないことから起こります。食が細い事による飢餓状態であったり、消化器障害を起こしていたり、また、体が冷えてしまったりといったことが引き金になって低血糖症が起こります。ブリーダーさんのところやペットショップなどから自宅へと、生活環境が急に変わったことによるストレスがきっかけになることもあるでしょう。

基本的にどの犬種でも発症する可能性がありますが、チワワをはじめとした超小型犬や小型犬で発症しやすい事が知られています。

2.チワワの低血糖の症状

チワワの症状としては、はじめはなんとなく元気がない様子が見られます。処置が遅れると、だんだん活動性が低下していきます。やがてほとんど寝たきりになってしまい、ぐったりした様子になります。歩行困難や全身性のけいれんが見られることがあるほか、昏睡状態となってしまうこともあります。このような様子になってしまった時には、生命の危機にありますので、一刻も早い治療が必要です。

3.チワワの低血糖の治療

治療としては、意識を失ってしまっている場合や、けいれんを起こしている場合には、緊急処置としてブドウ糖を添加した点滴を行ないます。血糖値の回復に伴い、速やかに意識を取り戻すこともよくありますが、重度の低血糖を起こしていた場合や、低血糖であった期間が長い場合には、残念ながら救命できないケースもあります。軽症で意識の消失がない場合には、ブドウ糖液を飲ませるなどして血糖値を回復させるための処置を行ないます。 食欲が出てきて自力で食べる事ができるようになれば、退院が可能ですが、自宅でもこまめに食事を与えるようにし、体を冷やさないようにするなど、よりいっそう丁寧なケアが必要になります。

4.チワワの低血糖の予防

子犬の低血糖症は予防が可能です。自宅に迎えた直後のストレスがかかる時期はもちろん、自宅での環境に慣れた後も、食欲には特に注意をしておきましょう。食が細いようならば、少しずつでも構いませんので、頻繁に食事を与えるようにしましょう。また、子犬は体温調節がうまくできませんので、適切な温度管理をしてあげるようにしましょう。子犬は、成犬では問題にならないような6〜12時間程度の絶食であっても低血糖症を起こしてしまうことがあります。食欲不振や下痢、嘔吐といった消化器障害による症状が見られるようならば、早めの受診をおすすめします。

子犬が低血糖症を起こす要因に心当たりがある場合で、低血糖症を疑わせるような様子を見つけたときには、応急処置が可能なこともあります。意識があるなら、濃い砂糖水を口の中の上あごの粘膜に塗ってあげるとよいでしょう。これにより元気を取り戻すこともあります。チワワのような小さな子犬がぐったりしてしまうとあわててしまうと思いますが、まずは落ち着いて応急処置を行ないましょう。一旦回復した後も、相変わらず食が細かったり、症状を繰り返したりしているようならば、早めに動物病院を受診することをおすすめします。応急処置により状態が良くならない場合も、できるだけ早い受診が必要です。また、痙攣や昏睡など、重篤な脳神経症状が出ているような時には一刻を争います。すぐに動物病院に連絡をとり、受診してください。

子犬を自宅に迎えたら、その子が健やかに成長できるよう、しっかりと環境を整え、できる限り丁寧なケアをしてあげましょう。

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