チワワの犬種図鑑

1.チワワの歴史

チワワは北アメリカにおいて最も古い犬種でありますが、その起源に関してはあまり詳しく分かっていません。今はメキシコが原産国といわれていますが、その他にも中国説やヨーロッパ説があり、論争が絶えません。

チワワの起源で定説とされているのが、9世頃に今のメキシコに住んでいた民族であるトルテカ族が飼育していたテチチという犬だといわれています。

チワワの犬種名の由来は、アメリカン人がメキシコのチワワ州でチワワを発見したからといわれ、ぺロ・チワワーノと呼ばれていたその名がそのまま犬種名となりました。日本には第2次世界大戦後に初めて輸入されましたが直ぐに人気が出たわけではなく、1970年代にようやく日本でも人気が出始めて、それ以降は日本の代表的な人気犬種の座を守り続けてきました。一時期日本でもCMから爆発的にチワワの人気が高まりましたが、アメリカやヨーロッパでもCMから人気が出ました。ヨーロッパでもスペインでのCMから人気が出て、チワワの人気がヨーロッパ全土に広がりました。日本だけでなく、世界中で人気が広まっている犬種です。

2.チワワの毛色

チワワには被毛が長いロングコートと被毛が短いスムースコートがありますが、被毛の長さ以外では体格や性格などの違いはありません。

日本ではロングコート・チワワの人気が高いですが、アメリカではスムースコート・チワワの人気が高い状態にあります。ほとんどの犬種でスタンダードによって毛色が決まっていますが、チワワの毛色はスタンダードで決まっている毛色はなく、ホワイト、クリーム、ブラック、フォーン、チョコレート、ブルー、レッドなどの全ての毛色の多彩なチワワがあり、飼い主の好みによって毛色を変えてみる事もできる少し変わった犬種です。

単色だけでもブラック、レッド、チョコレート、フォーン、ホワイト、クリーム、ブルー、イザベラなどがあり、さらに2色の組合せのトライカラー、3色以上のパーティーカラーもあります。人気のある毛色は、チョコレート&クリーム、レッド&ホワイト、セーブル&クリーム、ブラック&ホワイト、ブルー&フォーンなどがあり、スムースコートとロングコートで人気毛色は若干違います。チョコレートタンやブラックタンなどの毛色も広く好まれていて、日本では珍しいですがブリンドルの毛色のチワワもいます。

3.チワワの特徴

チワワの最大の特徴は全世界の犬種700~800ほどの中で最も小さい純犬種であるということです。チワワはアップルヘッドやドームヘッドといわれる独特な形をしている頭もチワワの特徴です。

他の犬種は毛色が決まっている事がほとんどですが、チワワは全ての毛色があり、毛色が決まっていません。もともとメキシコ出身である為に暑さには強いですが、寒さに弱い犬種なので室外飼育には不向きで、室内飼育が向いています。チワワは可愛い容姿をしていて小さい体格をしていて大人しい座敷犬な印象を受けますが、活発な性格で運動が大好きな犬種です。

特別に散歩などの運動をさせなくても、室内を走り回っていれば運動としては十分ですが、1日に1回は日光浴やストレス解消に外に出してあげましょう。チワワは他の犬種よりも同種意識が強いので、チワワ同士の方が他の犬種よりも仲良くなる傾向があるようです。チワワは小さい体格をしていますが、縄張り意識が強いのでよく吠えます。勇敢な一面もあるので、相手が大きくても向って行く事もあります。独立心が強いのでお留守番も得意なので1人暮らしや日中に家の中に誰もいない家庭などでも問題なく飼育する事ができる犬種です。

4.チワワの性格

チワワは献身性と個性を持っていて、機敏であり、知性がある犬種です。独立心旺盛な一面がある一方、飼い主や家族に対しては深い愛情や忠誠心を注ぎ、飼い主や家族には甘えん坊な一面を見せる事があります。独立心が強いので、自分の気に入らない事はどんなに命令されても聞きたがりません。

チワワは可愛い容姿から比較的甘えさせてしまいがちになりますが、子犬の頃に甘やかすと、成長した後によく吠えたり、唸ったり、噛んだりする事が多くなり、凶暴だとか性格的にきつい犬種といわれる原因となります。

チワワを含めた全ての犬に言える事ですが、犬という動物はかつて群れで生活していたので、その群れではその中で自分の優位性を確認する為に順位をつけていました。それは、今でも残っているのであまり過剰に甘やかすと飼い主や家族を自分よりも下だと認識してわがままな手がつけられない犬になります。チワワは甘えん坊で自分の愛情を1人の人間に向けたがる傾向があるので、飼い主だけに100%の愛情を示す一方で、愛情を示す対象者である飼い主が他の人や犬と仲良くする事を嫌い、嫉妬をする場合もあります。チワワは小型犬なので仕方のない事ですが、大胆で勇敢な性格の一方で非常に警戒心が強く、びっくりしやすく、怖がりなので比較的吠えやすい犬種といわれます。警戒心が強く、あまり人にも懐かず、吠えやすいので番犬としての能力はありますが、体格が小さすぎるので番犬として飼育するのは向きません。

5.チワワの飼い方

1. 飼育環境
チワワは超小型犬であり、寒さにも弱い為に温度調節がしやすい室内で飼育する事が最適です。
チワワはマンションなどの集合住宅でも、一軒家でも飼育する事ができ、1人暮らしでも飼育する事ができる犬種です。
チワワは、頭頂部が開いている事がある為に家具などで頭を叩いたり、打ったり、高い所から落ちないような飼育環境を作りましょう。
チワワは友好的な性格なので多頭飼育には向いていますが、チワワは同種意識が強いので、他犬種よりもチワワ同士の方が仲良くできる傾向があります。
チワワは甘えん坊で嫉妬をする犬種なので、先住犬を何事も優先してあげるようにします。

2. 運動
チワワは室内で走り回っていれば運動としては十分ですが、チワワは動き回るのが大好きなので、1日1回10~20分ほどは外に出して日光浴をさせたり、遊ばせたり、他の人や犬と関りあいを持たせて社交性を身に着けさせます。
臆病な割に大きい犬でも向って行く気の強い所もあるので、他の犬と喧嘩にならないように気をつけます。

3. しつけ
チワワはついつい甘やかせてしまいがちですが、過剰に甘やかすと吠えたり、唸ったり、噛んだりするようになる為にしっかりとしたリーダーシップとしつけは超小型犬であっても必要です。
しつけは必要ですが、チワワは臆病な為にあまり大きい声で怒らないようにして、他の犬種よりも褒める事でしつけを行います。
チワワは臆病な性格なので吠えやすくなる為に無駄吠えに対するしつけは時に行う必要があります。散歩に行けるようになったら、多くの人や犬と接触を行い、慣れさせるようにします。

4. 手入れ
チワワのスムースコートの被毛の手入れは週に1回のブラッシングで十分で、トリミングも必要ありません。
ロングコートの場合は週に2~3回のペースでブラッシングを行えば十分で、トリミングも必要ありませんが、ロングコートの場合は被毛が伸び過ぎた際にカットをする必要があります。
チワワは運動を長時間させる事はないので、爪が伸びやすいので爪が伸び過ぎないように伸びてきたら切ります。
犬の爪は中にも血管が通っている為に、出血しやすいので注意して行います。
チワワは立ち耳なので垂れ耳の犬種よりも通気性が良く、耳の病気にはなりにくいですが、月に1回程度は耳掃除を行いましょう。
チワワは運動量が短い為に、肛門嚢が溜まりやすいのでシャンプーと同じペースで月に1回程度、定期的に絞るようにします。

6.チワワの気をつけたい病気

1. 水頭症
水頭症は脳室に脳脊髄液が異常に貯留した結果、脳組織が圧迫されて様々な神経障害が起きる病気です。
先天性水頭症の多くは頭頂部の泉門と称される部分の骨が薄く、触ると穴が開いているように感じる事が多く、チワワなどの小型犬或いはボストン・テリア、ペキニーズなどの短頭犬種に多く発生する傾向があります。主な症状として、嗜眠、活動性の低下、けいれん発作、痴呆、行動異常などの意識障害、麻痺、斜視、などの神経・運動障害などが認められます。
一般的には、脳内の圧力を下げる治療やけいれん発作を抑える治療が内科的または外科的におこなわれます。幼少期から症状がでることが多いため、チワワの一歳未満でふらふらする、けいれん発作を起こすなどの症状がある場合は、獣医さんに相談してください。

2. 膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は後肢の膝の皿が正常な位置から外れた状態で、チワワなどの小型犬種に多い傾向があります。
初期段階では自然に元に戻りますが、進行に伴って膝のお皿が常に外れた状態になり、痛み、患部の晴れ、肢を引きずる、患部の肢を挙げるなどが認められます。
進行度に合わせて、内科的、外科的な治療をおこないます。症状が重度な場合は、獣医さんと治療の方針を相談してみて下さい。

3. 停留精巣
オスの生殖器官である精巣が、陰嚢内に降りずに腹腔内や鼠径部に留まっている状態を停留精巣や潜在精巣と呼びます。
精子形成には体温よりも低温の環境が必要なので、両方ともに停留精巣の場合は繁殖ができませんが、片側だけでも降りていれば、繁殖能力はある程度保たれている事が多い傾向にあります。
停留精巣は精巣腫瘍へと移行する確率が高いため、早めに去勢手術をすることが勧められます。